酵素玄米は普通の炊飯器で作れるか?

普通の炊飯器しか持ってないのだけど、酵素玄米は作れるのでしょうか?

このようなお悩みもよく聞きます。

結論から言うと、普通の炊飯器では酵素玄米を作ることはできません

普通の炊飯器での酵素玄米炊飯は思わぬリスクがあるので以下に説明します。

酵素玄米の特徴

まず酵素玄米とはどうやって作るのかをおさらいします。

酵素玄米は無農薬か低農薬の玄米を使って、小豆や古代米を加え、少量の自然塩を加え高圧・高加熱炊飯をし、炊きあがったものを3日以上熟成させたものです。

実際には研ぎ方やかき混ぜ方など、他にも注意点はありますが、ここでは基本だけをご紹介します。

酵素玄米炊飯器はこれらの過酷な用途に耐えるように設計されています。

例えば炊飯時に高圧を掛けるのですが、これは約1.8気圧です。市販の圧力鍋は80kPaから圧力を掛けるものが多いので、圧力鍋と同程度の圧力が炊飯器内に発生しています。

豆知識

80kPaはおよそ0.8気圧。酵素玄米炊飯器の1.8気圧は標準気圧1気圧に0.8気圧を加えたものになります。

炊飯器の表記気圧1.8気圧=標準気圧1気圧+増加分1.8気圧

圧力が高ければ内釜の沸点は100度以上の高温になります。

この高圧と高温に日常的に耐えながら、炊飯器としての使い勝手を良くするデザインするのは結構大変です。

圧力鍋のようなシンプルな構造であれば良いのですが、家電としてコンピューター制御し、SG認証を遵守しながら長年を使用するものを作るとなると、どうしても素材の強度を高める必要があるのです。

また、食材に塩を使うので、腐食してしまうような材質の内釜は設計できません。熱伝導率を考えた材質を優先すると、コーティングの製造コストが上がってしまいます。腐食に強い材質を使うと、熱伝導率が悪く電気代がかかってしまうものになってしまいます。

一般的な炊飯器の内釜に使われている安価なフッ素は、高温になると熱分解が始まり有毒物質が溶け出すと言われています。このため180度を超える可能性がある調理家電に使うことはできません。

このように酵素玄米炊飯器を安全性、デザイン性、利便性を追求し、利益を確保しようとすると、メーカーはかなりの努力が必要となり、必然的に価格も上がります。

酵素玄米を作るための炊飯器が高価なのはこのためです。

普通の炊飯器

酵素玄米炊飯器に対して一般的な炊飯器の構造はシンプルです。

皆さまはキャンプの時、飯ごうでご飯を炊かれたことはありますか?

普通の炊飯器でやることは飯盒炊爨と基本的には変わりません。適切な量の米と水があれば、炊飯器以外に鍋でもフライパンでも電子レンジでも白米を炊くことはできます。

このため普通の炊飯器はデザイン性を高めるため内釜を薄くできます。また沸点も100度のため安価なフッ素樹脂加工を施した内釜を使えます。

しかし一般的に内釜はフッ素加工が施されているため塩を使った調理はおすすめできませんし、長時間の保温にも向いていません。

では圧力式の普通の炊飯器なら酵素玄米は炊けるのでしょうか?

残念ながらこれは止めたほうが良いでしょう。

なぜなら一般的な圧力炊飯器は、1.2気圧程度です。これでは沸点は摂氏5度程度上がるに過ぎません。

この程度の温度だと、玄米の果皮を壊し食感を上げることは難しく、芯の残ったできあがりになってしまいます。

私は過去に炊飯器メーカー勤務でした。そこでは一般的な炊飯器での気圧上昇の主な目的は炊飯時の対流促進で、玄米を美味しく調理するものではないという考えが主流です。

また一般的な炊飯器は酵素玄米の調理を想定していないので、古代米や小豆などが調圧孔や安全弁を詰まらせ大事故に繋がる可能性があります。

これが普通の炊飯器で酵素玄米を作るのを避けるべき最大の理由です。

酵素玄米炊飯器

酵素玄米炊飯器はこれらのリスクを避けるため、小豆や雑穀米等、粒子の大きさが異なるものを調理できるような構造になっています。

また圧力鍋のように2気圧以上の高圧に耐えるような強度にする必要がないので、蓋が重かったり、開閉が手間取る構造でもありません。

酵素玄米炊飯器の圧力は1.8気圧以上になると、自動的に減圧するような仕組みがあるので安心してお使いいただけます。

また数日保温し続けても問題ないようコーティングされた内釜を使っています。こちらの炊飯器はダブルウォールダイヤモンドコーティングで、塩で腐食することもなく、傷にも強いです。

まとめ

酵素玄米は普通の炊飯器で作ることはできません。

仮に普通の炊飯器に酵素玄米の材料を入れて炊いても、べちゃべちゃで芯が残った美味しくないものになります。

また玄米の食感を悪くするアブシシン酸(ABA)がそのまま残っているので、味も悪く、消化も難しいのでお腹を壊す可能性もかなり高いです。

酵素玄米炊飯器は高温高圧の調理用品のため、将来的には内釜とパッキンの交換が必要になります。

その場合もほとんどのケースで数千円で収まりますので安心です。

私は酵素玄米炊飯器を5年以上使っていますが、2年に1度パッキンを交換するだけで、今も全く問題なく使用できています。

ちなみに私は数年分のパッキンをまとめて購入しましたので、万が一販売元に部品がなくなっても安心です。

 酵素玄米を簡単に作るならこちらの記事がオススメ。

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